ゴリアテとはどんなメーカー?
自動車メーカーゴリアテの創立は、1928年。当時のドイツの大手自動車メーカーであったボルクヴァルトグループ傘下のメーカーとして出発した。最初はオートバイと貨物車を合体させた三輪トラックを製造していたが、1931年には、なんと三輪の乗用車ゴリアテパイオニアを開発した。これは、ボルクヴァルトグループ初の乗用車でもあった。
このゴリアテパイオニアをベースに生まれたのがゴリアテ三輪トラックだ。そしてゴリアテGD750は、第二次世界大戦後に最初に製造、販売した三輪トラックであった。
戦前のゴリアテ三輪トラック
1930年代の三輪トラック、ゴリアテスタンダードである。前が二輪後ろが一輪の貨物で、運転者は荷台の後ろに乗る。まさしく運搬用車両という車だ。
【Buch-t, CC BY-SA 3.0 DE, via Wikimedia Commons】
1930年代の三輪トラック、ゴリアテスタンダードである。前が二輪後ろが一輪の貨物で、運転者は荷台の後ろに乗る。まさしく運搬用車両という車だ。
【Buch-t, CC BY-SA 3.0 DE, via Wikimedia Commons】
ゴリアテパイオニア
1931年に開発された三輪の乗用車。コンパクトでスマートな二人乗りである。当時は三輪自動車は免許がなくても運転でき、自動車税もかからなかったのでヒットした。
【Lothar Spurzem, CC BY-SA 2.0 DE, via Wikimedia Commons】
1931年に開発された三輪の乗用車。コンパクトでスマートな二人乗りである。当時は三輪自動車は免許がなくても運転でき、自動車税もかからなかったのでヒットした。
【Lothar Spurzem, CC BY-SA 2.0 DE, via Wikimedia Commons】
“ゴリアテ”という名前がまた面白い。この名前は聖書に登場する。イスラエルのダビデが倒す敵の勇者の名前がゴリアテなのである。このゴリアテ、背丈は2.7メートルで手の指が6本もあるという巨人だ。どちらかと言えばゴリアテはカタキ役ではあるが、このメーカーはその名を自社のブランド名とし、製造する三輪トラックもゴリアテと呼んだのだ。
荷物を運ぶトラックにはやはり力強さのイメージを付けたかったのだろう。大型ではなく、小型の三輪トラックではあったが、巨人のように力強いということで“ゴリアテ”なのである。

ダビデとゴリアテ
ドイツの画家オスマール・シンドラーが1888年に描いた作品である。手前の少年がダビデで、それを見て笑っている巨人がゴリアテだ。ゴリアテはこの後ダビデの投げる石によって討たれることになる。
【Osmar Schindler (1869-1927), Public domain, via Wikimedia Commons】
ドイツの画家オスマール・シンドラーが1888年に描いた作品である。手前の少年がダビデで、それを見て笑っている巨人がゴリアテだ。ゴリアテはこの後ダビデの投げる石によって討たれることになる。
【Osmar Schindler (1869-1927), Public domain, via Wikimedia Commons】