名前の由来が興味深い。
この車にはデュボネ クセニアという名前がある。“デュボネ”はわかるが、“クセニア”とはどこから来ているのだろうか。クセニアは、この車が生まれる二年前の1936年に亡くなったアンドレ・デュボネの2番目の妻の名前である。亡き妻を想い、彼はこだわりを込めた車にクセニアという名前を付けたのだ。
デュボネの亡き妻への愛が感じられる話ではあるが、実は、彼は、この車が生まれる1年前の1937年、つまり2番目の妻が亡くなった翌年には3番目の妻を迎えている。恋多き男性なのである。早くも再婚するので、それまでお世話になった亡き妻へ感謝を込めてということなのだろうか。何というか、デュボネはなかなか律儀な人間でもある。
いずれにしても、自らの名と2番目の妻の名を持つこの車は、芸術としての価値を持つ世界で一台の高級車となった。その意味では亡き妻への大いなる敬意を込めた車とも言えるだろう。
デュボネ クセニア紹介動画
現在デュボネ クセニアはアメリカのマリン自動車博物館が所有している。その博物館のオーナーであるピーター・マリンが、この車を詳しく紹介している。最初に走る姿も出てくるが、90年も前の車をしっかりと動く状態で保存しているのはさすがである。
現在デュボネ クセニアはアメリカのマリン自動車博物館が所有している。その博物館のオーナーであるピーター・マリンが、この車を詳しく紹介している。最初に走る姿も出てくるが、90年も前の車をしっかりと動く状態で保存しているのはさすがである。