ディブコ デリバリートラック

なぜアメリカの牛乳配達はガソリン車なのか?

1920年代はアメリカの配送用車も多くが電気自動車だったようだ。しかし、当時のバッテリーは寒さに弱く、特に寒冷地では性能にも限界があった。そこでガソリン車の配送用車を製造する会社ディブコが生まれたのである。

アメリカのように広い土地では、配送するにも長距離を走らなければならない。しかも寒冷地に人口の多い都市がある。配送車はやはり、バッテリーの心配をせずに走行でき、ある程度スピードが出せる車でなければならなかったのである。

ディブコデリバリートラックのヒットのおかげで、戦後のアメリカでの個別配達は、電気自動車ではなくエンジンによるガソリン自動車でというのがあたりまえとなった。土地の事情があったのだが、なにしろアメリカである。それ以上の要因もあったかもしれない。

1950年代から60年代にかけてアメリカは豊かで、人々は大きく豪華でパワーのある自動車を乗り回していた。配送用の自動車にもそんなアメリカ的気質が関係している気がする。「パワーのない電気自動車でチマチマ配達できるか!」というわけだ。

この車、やはり配送トラックのアメ車なのである。

ディブコ デリバリートラックのレストア動画
1957年製のトラックを3年以上かけてレストアした際の様子が7分ほどの動画にまとめられている。アメリカの人のディブコに対する愛の深さがわかる動画でもある。