ドライエ 148L

高級車であるがゆえの宣伝効果とは。

確かに高級車であった方が観客の目を引くことは引く。「なんだドライエじゃないか。あの高級車を宣伝に使うなんて、もったいないなぁ」なんて反応があればシメたものなのである。

実はこの当時、第二次大戦後数年しか経っていないフランスは、高級車に対する風当たりが強かった。まだ戦争の影響が残っており、戦後の経済復興ももう少し先のことだ。政府は経済復興を優先させるため、庶民に手が届かない高級車には高額な税金を課していたのである。ゆえに、高級な乗用車を購入しようという人は少なかった。というより、買おうとしても、おいそれとは買えなかったのだ。

それを考えると、みんなの羨望の的となっている車を使うというのは、観客のそれも車好きの人間、つまりタイヤメーカーであるKleber-Colombesのお客様の注目を浴びるのは必須である。タイヤメーカーとしては、とても美味しい話となってくるのである。

高級車を宣伝キャラバンに使おうというアイデアは誰が思いついたのだろうか。詳しいことはわからないが、思いついただけでなく実際にやってしまうのだからなかなか大胆である。

ツール・ド・フランスのキャラバンを紹介する動画
古今のさまざまな宣伝カーが登場する。よく知られている企業や毎年必ず参加する企業などがあり、それぞれに工夫を凝らした宣伝カーを走らせているのがわかる。