ダットサン 17型

ダットサンとは、どこから来ている?

この車ダットサン 17型を製造したのは、言うまでもなく日産自動車であるが、当時の日産は昭和8年(1933年)に設立したばかりの自動車メーカーでもあった。では、ダットサンという名前はどこから来ているのか。

ダットサンは、日本初の自動車メーカーであり、日産の前身でもある快進社という会社が、大正3年(1914年)に製造した乗用車に付けた名「ダット号」に由来している。

それは、快進社を支援していた3人の人物の頭文字D、A、Tをつなげた名前であった。また、ダットは漢字で書けば“脱兎”、つまり逃げるウサギの意味を持つ。そんなウサギのように速いという意味も込められていた。

ダットサンのボンネットマスコットの写真
ダットサンのボンネットマスコット
まさに“脱兎”。跳んで逃げるウサギの形を模したボンネットマスコットである。下にはDATSUNのトレードマークも見える。優秀な車だぞという当時のメーカーの意気込みが伝わってくる。
Morio, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】

さて、昭和に入ると、快進社は他のメーカーを合併するなどしてダット自動車となり、小型乗用車の試作を行うようになる。その際、完成した車にダット号の息子(SON)という意味をこめてDATSONという名前を付けた。

しかしDATSONではダットソンと読めてしまう。それでは“損”に通じるので縁起が悪い。そこで、太陽という意味のSUNに変えてDATSUNとした。ここで、ダットサンという名前が生まれるのである。

では、なぜダット自動車は、この時期に小型乗用車の開発、製造を進めようと考えたのだろうか。

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日本の自動車普及を目指して。