社長の個人使用車が始まりだった。
リンカーン コンチネンタルは、そのフォード・エドセルの個人使用車として作られたのが始まりである。
エドセルは1939年の春の休暇に備え、社内のデザイナーに自分の使う車のデザインを依頼した。デザイナーは当時販売されていたリンカーンゼファーをもとに新たなオープンカーをデザインした。

リンカーン ゼファー
1938年製の4ドアセダン。コンチネンタルのデザインのベースとなった車である。ヘッドランプがフェンダーに埋め込まれ、空気力学を考えたスタイルが特徴で、30年代に流行した流線型デザインであった。
【Lars-Göran Lindgren Sweden, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
1938年製の4ドアセダン。コンチネンタルのデザインのベースとなった車である。ヘッドランプがフェンダーに埋め込まれ、空気力学を考えたスタイルが特徴で、30年代に流行した流線型デザインであった。
【Lars-Göran Lindgren Sweden, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
エドセルの個人使用車は、リンカーンゼファーよりも車高を低く抑え、車の側面についていた踏み板を無くし、より安定感のあるスタイルとなった。また、キャビンを後方に移動させ、それによってトランクスペースが狭くなったため、スペアタイヤは車の後部にカバーを付けて取り付ける形とした。

リンカーン コンチネンタルのスタイル
ゼファーより車高を低くし、広げて安定感を高めた。さらに、スペアタイアを後ろにマウントしている。
ゼファーより車高を低くし、広げて安定感を高めた。さらに、スペアタイアを後ろにマウントしている。
この車は、エドセルをはじめ彼の友人たちの間でも評判は上々で、エドセルは、この車は1000台は売れると本社に電報を打ち、すぐに生産が開始されることになる。
全体的なスタイルがヨーロッパ車のイメージであったため、ヨーロッパ大陸風という意味でコンチネンタルと命名された。