シトロエン23RUとはどんな車?
さて、このオープン型バスのベースとなっているシトロエン23RUだが、どんな車なのか。シトロエンは1935年から1969年まで、シトロエン23というトラックを製造していた。いわゆるボンネット型の小型トラックで、フロントグリルにシトロエンの三角模様がついたところは、確かにシトロエン車である。
このシトロエン23トラックは戦前からバスに改造され、活躍していたようだが、改めてバス専用車として開発されたのが23RUである。1941年から製造されている。
1941年であり戦時中でもあることから当初は軍用車としての需要のみであった。お客を乗せるバスとなったのは戦争が終わってからである。しかも戦後は、戦争による被害で数の少なくなったバス車両を補うため、物資不足の中、多く生産されたようだ。
最初はシトロエンの工場でバスを製造していたが、後には工場で組み立てられたエンジンとシャーシの上にコーチビルダーがボディを製造して取り付け、さまざまなバスが作られるようになっていった。なお、コーチビルダーとは、自動車メーカー製造のシャーシを元にボディを設計し、製造、取り付けを行うメーカーのことである。

シトロエン23トラック
1949年製のシトロエン23トラックである。23とは、総積載量2.3トンから来ており、小型トラックとして活躍した。
【Berthold Werner, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
1949年製のシトロエン23トラックである。23とは、総積載量2.3トンから来ており、小型トラックとして活躍した。
【Berthold Werner, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】

シトロエン23RUバス
戦後の1947年に製造されたバス。乗客数は10人程度だろうか。小型バスである。前のウィンドウが開いて風が入るようになっている。
【Lebubu93, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
戦後の1947年に製造されたバス。乗客数は10人程度だろうか。小型バスである。前のウィンドウが開いて風が入るようになっている。
【Lebubu93, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
シトロエン23はもともと小型トラックであるので、車体もあまり大きくはない。ゆえに23RUにも多くの座席を取り付けることはできず、地方で営業する小型バスなどが作られた。最初は、郵便局の配達や集荷に使われる車などにも使われたようである。
