オースチン K8

キャブオーバー型商用車の先駆け。

戦後に登場したこうした四角い形の商用車でよく取り上げられる車にフォルクスワーゲンタイプ2がある。フォルクスワーゲンタイプ1、つまりビートルをもとに設計された商用車で、その使いやすさから世界各国でヒットした。

このフォルクスワーゲンタイプ2は、ビートルと同じRR車である。つまりエンジンが後ろに付いている。従って、エンジンの上にキャビンを乗せるという形で設計された車ではない。さらに、登場したのも1950年であるので、オースチン K8の3年後の車でもある。

また、日本ではこうした四角い車をワンボックスカーと言うが、日本で最初のキャブオーバー型ワンボックスカーは、1960年に登場した日野自動車のコンマースであるとされている。オースチン K8は、その10年以上前に活躍していたことになる。

フォルクスワーゲンタイプ2の写真
フォルクスワーゲンタイプ2
フロントの大きなVWがトレードマークのおなじみの車。あのビートルから派生した商用車である。写真はバンだが、後部に窓がついたサンババスも有名だ。
MPW57, Public domain, via Wikimedia Commons】
日野コンマースの写真
日野コンマース
日本の日野自動車が1960年に発売したキャブオーバーバン。運転席の下に置かれたエンジンで前輪を回すという当時では珍しいFF車である。
Ypy31, Public domain, via Wikimedia Commons】

いずれにしてもこの車、オースチン K8は、キャブオーバー型商用車の先駆けとも言えるのではないだろうか。

1930年代にもキャブオーバーバンが製造されてはいるが、それは試作車だったり、製造台数が少ない特別な車だったりしている。本格的な量産型キャブオーバー車の最初は、やはりオースチンK8なのである。

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荷室や車体にも新しさがあった。