スピードには道路のクオリティも重要。
ブリッツェン ベンツの速度記録挑戦にはもう一つ大きな意義もある。それは、道路である。車をスムーズに走らせるためには、車という機械の性能に加え道路のクオリティも重要であることを教えたという点である。
最初に時速200キロを超えたイギリスのブルックランズは1907年にオープンしたサーキットであり、コンクリート舗装による耐久性のある路面で、バンクも設けられ高速を出すためのコースとして作られていた。こうした路面が無ければ、いくら車の性能を上げたとしても記録を出すことはできなかったのである。

ブルックランズ・サーキット
美しく舗装され、コーナーにはバンクも付いている。1911年にブリッツェン ベンツはここで時速200キロを突破した。なお、この写真は1907年に撮影されたものである。
【DaimlerChrysler AG, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
美しく舗装され、コーナーにはバンクも付いている。1911年にブリッツェン ベンツはここで時速200キロを突破した。なお、この写真は1907年に撮影されたものである。
【DaimlerChrysler AG, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
この当時、アメリカでは初めての自動車専用道路が生まれていた。車を速く走らせるための道路だ。すでにこの頃になると、自動車が走るのを単に喜んでいた時代は過ぎ、自動車のための道を作ろうという時代になっていたのである。
ブリッツェン ベンツ、それは速く走るのを競うためだけの車であった。しかし、こうした車がなければ、また、最速への挑戦者がいなければ、現在のような高速道路網が発達した自動車社会が実現しなかったことも確かである。
ブリッツェン ベンツの動画
メルセデス・ベンツが提供する動画である。ブリッツェンベンツの所有者が、車の魅力を語っている。走る姿や内外装、エンジンなどが余すところ無く紹介されている。
メルセデス・ベンツが提供する動画である。ブリッツェンベンツの所有者が、車の魅力を語っている。走る姿や内外装、エンジンなどが余すところ無く紹介されている。