時速200キロが意味するもの。
時速200キロとは、よく考えると大変なスピードである。時速100キロも速いことは速いが、現代の高速道路では普通に出せるスピードであり、コントロールもしやすく感じる。しかし、120、130とスピードが上がってゆくとどうだろうか。
最近、時速120キロが出せる高速道路も増えてきたが、120キロでは怖いと感じる人も多いようだ。それが200キロなのであるから結構なスピード感があるはずである。当然コントロールも難しいはずだ。
それでも、人は挑戦するのである。走る機械が生み出されると、より速くとスピードを上げようとするのは人間の性なのだろう。車はもちろん鉄道しかり、飛行機もしかりである。より速くし、時間を節約しようという意識が根底にあるのだろうが、とにかく速く走るということ自体に意味があるようだ。

ブリッツェン ベンツ実車
2013年にパリ・レトロモビルという旧車イベントに登場。1909年製をレストアしたものらしい。
【Thesupermat, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
2013年にパリ・レトロモビルという旧車イベントに登場。1909年製をレストアしたものらしい。
【Thesupermat, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
時速200キロと言えば、最初の東海道新幹線がそうであった。昭和39年(1964年)に開業した際、時速200キロで走る夢の超特急というのがウリであった。開業の1番列車から210キロを出したという逸話があるが、当時は列車内のビュッフェにスピードメーターが付いていて、200キロを超えているのを見た乗客が大喜びしたそうである。
自分で運転するのは怖いかもしれないが、乗り物が時速200キロを超えるという事実にとにかく達成感と言うか、爽快感を感じてしまうのが人間なのである。

レースで活躍
日付は不明だが1910年代の写真のようだ。二人乗りで、砂煙を上げながら走っている。
【The original uploader was Cete at German Wikipedia., CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
日付は不明だが1910年代の写真のようだ。二人乗りで、砂煙を上げながら走っている。
【The original uploader was Cete at German Wikipedia., CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
さて、新幹線の時速200キロは今から約60年前の話だが、それよりさらに50年ほど前にブリッツェン ベンツは時速228.1キロを出し、世界最速の乗り物となった。そしてこの車はスピードを出すこと、スピードに挑むことのワクワク感を人々に強く印象づけたのである。