ゴッゴモビル TL300

Goggomobil TL300
ゴッゴモビルTL300
ゴッゴモビルTL300 1957年

狭い路地でも大活躍のカワイイ車。

軽のトールワゴンをイメージさせるカワイイ黄色の車。ドイツの車で名前はゴッゴモビルTL。1957年から65年にかけて製造されたバンタイプの小型商用車である。エンジンの排気量や装備の異なる数種類が製造されたが、基本的にこのデザインは変わらなかった。

ゴッゴモビル、その名前の由来は?

ゴッゴモビルとは変わった名前だが、西ドイツの自動車メーカーハンス・グラースが製造したマイクロカーのブランド名である。ハンス・グラースは、もともと農機具製造を行っていた会社であったが、ゴッゴローラーというスクーターを製造し、次いで4輪のマイクロカーの製造も始めた。ゴッゴとは社長の孫の愛称だったそうで、やはりカワイイ子供のような車ということなのだろう。

第二次世界大戦後の物資不足時代は、各国でマイクロカーが製造され、庶民の足として活躍した。このゴッゴモビルもそのひとつである。Tセダン、TSクーペ、TLバンの3タイプのゴッゴモビルが作られ売り出された。エンジン排気量は250〜400CCで、大きさは360cc時代の軽自動車ぐらいであったので、今の軽自動車よりも一回り小さい。

ゴッゴモビルT250
ゴッゴモビルT250
セダンタイプの車である。空冷エンジンをリアに乗せており、小さくて丸い。運転もしやすそうだ。
Pujanak, Public domain, via Wikimedia Commons】
ゴッゴモビルTS250
ゴッゴモビルTS250
こちらはクーペタイプである。この車もリアエンジンだが、フロントにはアルファロメオのようなグリルが付いていてキュートな印象。
Lothar Spurzem, CC BY-SA 2.0 DE, via Wikimedia Commons】

次ページ
小さくて便利なトランスポーター。