Tatra t603

チェコの大型リアエンジン車。
フロントグリルの位置にヘッドライトが並ぶ大きな車。タトラT603である。この車、エンジンはボンネット内ではなく、後ろにある。しかも後輪駆動で走る。つまりRR(リアエンジン・リアドライブ)車である。ゆえに、車の前部にはグリルが無く、ライトが3つ並ぶ個性的な顔になっている。
さらに面白いのは、この車がチェコの車だということ。1956年に、当時まだ共産圏であったチェコスロバキアの自動車メーカータトラで開発、製造、販売された車なのである。

個性的な車タトラT603
フロントノーズのガラスの奥に3つのライトが並ぶ。また、エンジンは後部に積まれている。バックウィンドウを区切るピラーも個性的だ。
フロントノーズのガラスの奥に3つのライトが並ぶ。また、エンジンは後部に積まれている。バックウィンドウを区切るピラーも個性的だ。

タトラT603の側面
かなり大きな車であることがわかる。リアエンジンであるため、後部ドアの後ろにはエアインテークがある。
かなり大きな車であることがわかる。リアエンジンであるため、後部ドアの後ろにはエアインテークがある。
タトラとは、どんな自動車メーカー?
まずはタトラというメーカーについて語っていこう。タトラは、19世紀なかばに馬車のメーカーとして開業。後に鉄道車両の製造なども手掛けるようになり、1897年からは自動車製造を始めた会社である。
タトラT11
1924年のモデル。空冷エンジンを積んだシンプルな構造の車である。フロントのデザインがルノーNNに似ている。
【No machine-readable author provided. KapitanT assumed (based on copyright claims)., CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
1924年のモデル。空冷エンジンを積んだシンプルな構造の車である。フロントのデザインがルノーNNに似ている。
【No machine-readable author provided. KapitanT assumed (based on copyright claims)., CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
現在では乗用車の製造は行っていないがトラックの製造は行っており、悪路走破性や耐久性が高い車両を送り出している。また、鉄道車両も有名で、特にタトラの製造する路面電車はタトラカーと呼ばれ、チェコや東ドイツ、ロシアなどの東側諸国をはじめ各国で導入されている。今も現役で活躍している車両も多い。

タトラカー
プラハの街を走るタトラカー。東欧の国を中心に各国でタトラの作る路面電車が活躍している。
【Honza Groh (Jagro), CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
プラハの街を走るタトラカー。東欧の国を中心に各国でタトラの作る路面電車が活躍している。
【Honza Groh (Jagro), CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
