BMW 700 sport

BMWを救った、BMWらしくない車。
BMW700は、1959年に登場したBMWの小型車である。しかしこの車、BMWの顔ではない。BMWといえば、フロントにある左右対称のラジエターグリルが特徴だが、それが付いていないのである。
あのシンボルが付いていないBMW車。
BMWの左右対称のラジエターグリルは、キドニー・グリルと呼ばれ、1933年から付けられている。BMWならどの車にも付いている言わばシンボルだ。それほど重要なキドニーグリルがなぜBMW700には付いていないのだろうか?
この車はRR、つまりリアエンジン・リアドライブで、エンジンは後部にある。それゆえ、車の前部にはラジエターグリルが不要なのである。したがってキドニーグリルも無い。簡単に言ってしまえばそういうことなのだが、それではなぜBMWは自社のシンボルの無い車をこの時期に製造、販売したのだろうか。そこにはBMWの深い事情がある。その事情がまた興味深い。

BMW車のキドニーグリル
BMWといえば、昔からどの車にも付いている。
BMWといえば、昔からどの車にも付いている。

BMW700の前部
リアエンジンのBMW700にはキドニーグリルは無い。
リアエンジンのBMW700にはキドニーグリルは無い。
