オースチン FX4

Austin FX4
オースチンFX4
オースチンFX4 1958年

ロンドンの誇り。黒いタクシー。

真っ黒で背の高い車体、フロントウインドウの上にはTAXI表示。ロンドン名物の黒いタクシー、オースチンFX4である。

オースチンは、1905年設立のイギリスの老舗自動車メーカーだ。1952年には、当時のイギリスの大手自動車メーカーの合併により生まれたBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)の傘下となるが、軽快な走りの大衆向け小型車を多く開発。あの名車ミニのメーカーでもある。

そんなイギリスを代表する自動車メーカーが生み出したタクシー専用車が、オースチン FX4だ。実はオースチンは、BMCの傘下となる以前からタクシー専用車を開発している。では、オースチンFX4を語る前に、まずはイギリスのタクシー業の歴史から紐解いてゆこう。

オースチンFX4運転席
オースチンFX4の運転席
屋根にはTAXI表示、助手席にはFOR HIRE(空車)の表示が見える。助手席にお客は乗せないのがロンドンスタイルだ。
オースチンFX4サイドビュー
横から見たオースチンFX4
観音開きドアで大きく開けることができ、乗りやすそうだ。また、背が高く、屋根が後部まで続いているので客席も広々としている。

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辻馬車から始まったイギリスのタクシー。