歴史人物年齢学

松尾芭蕉 四十六歳

漂泊の思ひやまず、奥の細道へ。

木曽路を歩き、信州を巡り、江戸に帰ってからはや半年。芭蕉は、もう次の旅に出掛けようとしていた。行き先は奥州。これは、木曽を旅していた時から決めていたことだった
「古来歌枕となった白河の関が見たいものじゃ、さらに平泉へ詣でて、象潟を訪ねて・・・」
出掛ける前から、心はすでに旅の空。まさに、旅を住処としていた人であった。

元禄二年(1689年)三月、芭蕉四十六歳、門人曾良を伴い、奥州へと出発する。千住で見送りの門人たちと別れ、奥州へと足を踏み出したが、振り返ると、そこにはいつまでも二人の後ろ姿を見守る門人たちの姿があった。
「あの人たちとも、これで二度と会えぬことになるかもしれぬな」
自らが望んだ旅ではあったが、ふと、寂しさに襲われる芭蕉であった。春も過ぎ、季節は初夏を迎えようとしていた。さわやかな風がここちよい旅立ちであった。
『行春や鳥啼き魚の目は泪  芭蕉』

松尾芭蕉(1644〜1694)
伊賀国に生まれる。生地では、貞門俳諧にたずさわる。江戸に出て談林俳諧を修めて宗匠となる。後に蕉風を確立。全国を行脚して多くの句をものにする。

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梟